[医業総研] 平野先生は、医院経営塾が始まった最初のクールでの参加でしたね。
[平野Dr.] もう3年ほど前になりますね。植村さんに勧められての参加です。当時、医業総研が開設を進めていた津田沼の医療モール(モリシア津田沼メディカルフォレスト)について、私から問い合わせたのがきっかけで植村さん、小畑さんと交流を持つようになりました。結果的にモールでの開業は見送ったものの、開業に向けた具体的な検討を進めるなかでの参加でした。
[医業総研] 医院経営塾の何に期待されたのでしょうか。
[平野Dr.] セミナーの参加だけで開業のすべてが学べるとは思っていませんでしたが、社会勉強も含めて何を学ぶべきか、分からないところを分かるための機会という感じです。それとは別に、医業総研という会社をもっと詳しく知りたかったということもあります。植村、小畑両氏以外のコンサルタントとも話をしてみたかったことがあります。
[医業総研] もっとも印象に残っている講座は何でしょうか。
[平野Dr.] 人事労務マネジメントでしょう。この講座だけは夫婦で参加しましたが、これまで経験のない分野だけに興味深いものがありました。採用時のポイントなどは今でもそのまま踏襲しています。特に、高橋さんの人事トラブルの解決関連は、経験によってでしか身に付かないことだけに、実際に起こりうるテーマ別の解説は参考になりました。
[医業総研] 当時、最初のクールに参加されたときの印象を忌憚無くお聞かせください。
[平野Dr.] 私の場合、ある程度開業準備が進んでおり、すでに多くのレクチャーも受けていたので、ゼロ知識からの受講だったら印象も違っていたでしょう。そのうえでの感想ですが、受講者の多くは一般論よりも自分にとってどうなのかというケーススタディを望んでいるのではないかと思います。ボリュームバランスとして一般論をもう少しコンパクトにし、個別対応のウェイトを増やしたほうが良いように思いました。
[医業総研] ご指摘ありがとうございます。現在はそうした先生方の声を反映して、参加者の個別サポートを充実させています。ところで、医院経営塾の講義に付け加える要素があるとしたら何でしょう。
[平野Dr.] コンサルタントの視点での講義も良いのですが、「塾」の性格上、現役開業医を招いたナマの経験談のようなものがあっても良いかもしれませんね。
[医業総研] 勤務医と開業医の違いをもっとも感じられるところは?
[平野Dr.] 先輩開業医からは、経営の悩みの8割方が人事だと聞いていましたが、その場ではピンとこなかったものの開業してみて、なるほど雇用は難しいと実感しました。病院ではコメディカルのまとめや悩み相談、コーディネートなどを主に看護師長が担ってくれましたが、開業医はつくづくドクター兼看護師長(現場監督?)であるということを実感します。
[医業総研] これから開業を迎える勤務医に、開業心得のアドバイスをお願いします。
[平野Dr.] 多忙な勤務医が、経営やマーケティングなどを独学で学ぶには限界がありますから、良いコンサル会社のサポートを受けるのが賢明です。私の場合は医業総研に依頼したことが正解でしたが、コンサル会社自体は数多くありますから、数社面談してみて自分に合った会社を選ぶことをお薦めします。
心得という面で大切なのは、患者さんとのコミュニケーションですね。病院の外来はひたすら患者数をこなすことに集中するだけで仕事が成り立ちます。医療機能が細分化されているので患者さんと必要以上の会話をする必要がないわけです。しかし診療所ではまず患者さんとの会話が医療サービスの基本です。多少効率が落ちても、患者さん一人ひとりの訴えにどう耳を傾けるかが結果的に地域の信用につながることを意識するべきです。
ひらのメディカルクリニック
千葉県習志野市谷津3-1-12
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